犬の歯石を麻酔なしで除去できる? 0467-83-9398 営業時間/ (午前診療)9:00-12:00 (午後診療)15:00-18:00(夜間診療)19:00-21:00 予約診療のみ。※日曜日の午後の診療は院長不在・犬猫以外診療は不可定休日 / 水曜
無麻酔で歯石を取ることができますか?
と、時々聞かれます。
「できますが、しません。」
と答えています。
そう答えない人は多分、特殊な能力を持ってます。(^^;)
まず、なぜ歯石を取るのでしょうか。
多くの飼い主さんは
「口が臭い、当人が気にしている、雑菌が多い状態で舐められたくない」
などを理由にしています。
獣医師側からの歯石を取る理由はというと、
「歯周ポケットの清掃と抜歯が必要な歯の抜歯および治療可能な歯の治療」
です。
その理由は、
歯石が増える → 歯周ポケットに雑菌が増える → 歯周病が進行し、
歯がグラグラ → さらに雑菌が増える → 血液中に菌が入り、
全身に飛ぶ → 全身で細菌感染をおこす
この進行を防ぐために歯石を取り、歯周ポケットの掃除をするのです。
あまり知られていない事実として、
歯周病の細菌は、血液の中や組織の中に入りやすく、全身に移行する
というのがあるからです。
歯周ポケットとはいわゆる歯と歯茎の間です。
その中を超音波や金属製のスケーラーでゴリゴリ掃除するんです。
なんとなく想像できますよね。
普通は痛いです。
普通は嫌がって動きます。
動くと歯の表面を傷つけたり歯周ポケットの掃除はうまくできません。
人間は「少し我慢してくださいねー」で終わりますが。
極論、歯周ポケットが健全であれば、
そんなに急いで歯石を取る必要はありません。
それよりも歯磨きを勧めます。
想像してみてください。
無麻酔=普通に意識がある状態
です。
歯の表面だけでも素直に超音波スケーラーや金属製のスケーラーをあてて、
ゴリゴリ削らせてくれるワンちゃん、どのくらいいるでしょうか。
彼らは何されるのかさっぱり分からず、不安だらけです。
怖くない治療だと思いますか?
ストレスのない処置だと思いますか?
病気があって全身麻酔がかけられない子はOK?
無麻酔なら病気の負担にならないと思いますか?
時には全身麻酔よりリスクが高くなりますよ?(特に心臓疾患)
さて、上記を踏まえて、話を戻します。
Q.無麻酔で歯石を取れますか?
A. 取れます。取れますが、
無麻酔だと歯周ポケットのクリーニングや抜歯、歯の治療はできません。
=歯の表面の歯石だけ取ってもあまり意味がありません。
怖がって暴れたりしてストレスフルになると
肉体的にも精神的にもいいことありません。
だから、そのようなリスクのある治療はしません。
ということでした。
実例として、無麻酔歯石除去が続いた子の歯です。
左上奥歯の表面は綺麗(白丸)ですが、
歯周ポケットから奥の歯周病が進行(赤丸)しています。
白っぽい綿のようなものは膿です。
下の犬歯です。
見えている部分はまずまず綺麗です(白丸)が、
歯周病が進行して歯茎の後退が激しく(赤丸)、歯はグラグラです。
抜歯になります。
右上奥歯です。
普通にしていて見える部分(白丸)は綺麗ですが、
歯周ポケットから奥(赤丸)は歯周病が進行しています。
抜歯になります。
他にもあまりにもストレスで精神的におかしくなった
(飼い主さんを咬むようになった) (ー.ー;;)
と相談された方もいらっしゃいます。
やっぱり相当嫌だったんだなーって思います。
くれぐれも安易に無麻酔による歯石除去は考えないでください。
せめて、かかりつけの獣医さんと相談してくださいね。
Amateru
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